Notae ad Quartodecimani

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国民主権の発生

国民主権」の発生



元来、中世封建制期から被治者の「抵抗権」は存在していた。
これは、領主に「善き統治」を求めるもので「統治契約」の思想に基づいていた。
その主体は個人ではなく、集団であり、その拘束力は慣習法や自然法であった。

この「抵抗権」が「民主主義的原理」に結びついたのが、「万人司祭」を掲げて、教会を媒介としない神と諸個人の直接的な関係を強調したルター思想を端緒としている。
16世紀フランスのユグノー教徒、17世紀ブリトゥンのピューリタンなどの思想の中から究極的な「個々の人民の権利」に由来するところの「抵抗権」が生まれている。

殊に、ピューリタンの一派に属する「水平主義者」(Leveler)は、1640年代の内乱期に、財産の有無に関係なく、あらゆる人民が持つ「生得権」を訴え、民主的な政治体制の構想を提示して、男子の普通選挙を要求し始めた。

こうした「人民主権思想」は「社会契約論」(Social Contract)として思想化された。
Hobbsは、あらゆる人間は自然状態では互いに自由で平等であると説いた「自然状態」の理念から、各人が自らの行為の絶対的決定者であることから生じる「戦争状態」の問題を示し、その解決法として、すべての人民が自然権を委譲することによって絶対主権国家が生じるとした。

Rockは、基本的にHobbsの論理を踏襲しつつ、人民はその自然権を完全に委譲するのではなく、「所有権の保護」のために政府に信託を与えていると主張した。したがって、人民には「革命権」があると言う。

J.J.Rousseauは、人民が統合して国家を作るとき、諸個人の特殊な意志や利害の総和を超えた公共の利益のみを必然的に追及する「一般意志」を形成すると主張した。そこでは、各人の意志がこの一般意志を合一することで、人民は真の意味で自由になるという。これは、統治者と被治者の同一化を唱えるラディカルな民主政治の構想である。


・国家主権を抑制できるものは国際法や慣例や国際世論や経済制裁国際連合などの議決という、明確な権力を伴わない曖昧なものしかない。そこでは強いものが正しいという自然状態、またはジャングルの法が横行してしまう。国家主権は他の国家から土地や資源を奪いつつ自分たちが責められると内政不干渉や権益を守ると言い出す倫理不全を起こしている。それでも世界政府が実現しないのは、ひとつに圧制への恐怖であり、ひとつに利己益への欲望なのであろう。人間は世界絶対権力を担うにはその器を持っていない。





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