Notae ad Quartodecimani

情報や資料のノートの蓄積

2010-01-01から1年間の記事一覧

信徒と聖徒

初代期のエルサレム市のイエス派の会衆が最初にギリシア語「エックレシア」([ἐκκλεσία])と呼ばれるようになったとのことです。 これは字義的に「外に呼び出された」を意味し「召しだされた」人、またその集まりを指していたといわれます。 これを念頭に訳…

聖徒に関する聖句メモ

聖徒[Ἁγιοσ]について 身分 ☆テトス2:14「我々を不法から引き上げ、特別に所有する民に浄める」 ☆ペテ二2:9「選ばれた種族、王なる祭司、聖なる国民」 ☆エフェ1:1「聖なる者らと・・忠実な者らへ」 ☆コロ1:2「聖なる者らと忠実な兄弟らへ」 ☆テサ一1:5「…

過越しの日付に関するユダヤの混乱

こちらの記事では再考を加え2014年での認識として要点を整理しています。⇒ http://d.hatena.ne.jp/Quartodecimani/20141113/1415879848 --------------------------------------------------- まず、聖書そのものに幾らかの曖昧さをみる識者もあり、根拠とし…

Ⅴ24.アジアのエクレシアとの論争

アジアのエピスコポイは彼らの先達に倣うべくその慣習を守るようポリュクラテースの下によく努力を積んだ。 同時に彼はローマのヴィクトルに宛てた書簡の中でその慣習について陳述している。 『我らは、純正な時代に何も付け加えることはしない。アジアの光…

R.A.Dahl "On Democracy"

ダールの「デモクラシーとはなにか」 ここではラフに言うところの民主主義についてメモ風に書き出します。 - 国家の統治に参画できる人はほとんどいないという古来なされてきた主張にたいして、人々は少数者に政治を任せて安楽に暮らせるかといえば、著者は…

ヴァチカン写本

カトリック教徒によって、教皇庁の奥に鎮座ましますものこそが「本当の聖書」だと聖遺物のように尊崇されている第四世紀頃のものと思われる聖書写本がヴァチカン図書館に厳重保管されています。 Bという略号で表されるこの貴重なギリシア語アンシャル体で筆…

エイレナイオスについて

この初期教父の属する小アジア系のキリスト教徒は注目に値する特徴を持っています。 殊に著名な人物としてエイレナイオス(ca.130-202)を挙げることができます。 彼は小アジアからの移民と共に南フランスのルグドゥヌム市※(現リヨン市)に移ってから、ディア…

ヘーゲル左派の宗教攻撃

啓蒙主義の時代が進むと意気軒昂たるベルリンの青年たちは、メッテルニヒ主導の保守的で時代回帰的なウィーン体制に対抗し、デカルト以来のフランス的啓蒙の精神を称揚した。 それは自我の、自由で、自主的で、自覚的な確信のみを拠り所としようとするもので…

[経済学]Partha Dasgupta"A Very Short Introduction"

通常の入門書が1000頁程度になるとのことでしたから、エピローグを除いてきっちり200頁に収まった小著にも関わらず、その内容は経済を越えて社会の有様とその直面する問題を大きく包んでいました。そこに学ぶことの収穫は大きくて、わたしが読完後につけるノ…

「共産主義の見た夢」Richerd Pipes "Communism A History"から

平和な時期に平和を語ることは容易なことでしょうが、同じようにソビエト・ロシアの巨大な実験が崩壊して久しい今、共産主義を論難することも容易でしょう。 それでも、数十年前には日本では多くの学生が真剣にマルクスを論じ、ヘルメットをかぶって角材を執…

はじめに

学習することは生涯を費やしても到底足りるものでもありません。 調査したことは後になると忘れがちであり、このようなブログに記録しておくのもひとつの方法であると考えました。今後、学ぶであろう多くの事柄をここに記して自分の便宜を図りつつ、ご覧にな…