Notae ad Quartodecimani

情報や資料のノートの蓄積

教父テオフィロスの「トリアス」

・アンティオケイア(六代目司教)のテオフィロス(位169)
 異邦人異教徒の家庭で育った
 ユダヤキリスト教徒と出会い旧約を知る
 長く聖書を研究した後に改宗したらしい
 「アウトリュコスに送る」だけが残る これは180年を過ぎた頃の書
 「トリアス」が現れるのは第二巻で創世記原初史の解説の中

光るものの先立つ三日は神と、その言葉と、その知恵というトリアスを型どったものらである。第四の場を占めるのが人間である。人間は光を必要とする。こうして神、言、知恵、人間が[存在することになる]。このため、四日目に光る物が成ったのである。

(2:15)教文館「原典 古代キリスト教思想史」1.小高毅 編
所見:原初史の論議には見るべきものがない。フィロンの粗悪な焼き直しのようで、この第四日の謎への説明は単なる哲学のこじつけである。ヘレニズムの人士に宣教し、論じているうちにヘレニズムで語るゆえに、その内に取りこめられているように読める。今日のキリスト教徒が宣教する内に科学信仰に取り込められているのを見るような。ともあれ、この人物に三一の起源を唱えることは無理である。時代もまだ早いし、ましてシリアのアンティオケイアはアレイオスの学んだ場所ではないか。



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