Notae ad Quartodecimani

情報や資料のノートの蓄積

メツィツァ

ユダヤ教徒の割礼施術時に行われる傷口からの出血を施術者がすする行為を「メツィツァ」と呼ぶ。それを呑み込んでいたかは不明。
彼らは施術後に血行を促進する医療上の配慮として、出血を口で吸い取ってきた。

近世までに儀礼化し、現在も超正統派によって行われ支持されている。

古来、男子誕生の八日目に施術するのは父親の務めであったが、次第に専門の施術者に依頼されるようになっていった。ユダヤ人の男子はこのときに命名される。(女子は会堂でトーラの祈りが詠唱される間に行われる)

施術者は「モヘール」と呼ばれ、古来は屠殺業者に委嘱されはじめたのが始まりとのこと。今日のモヘールは医学と宗教教育を受けていることが求められている。<屠殺業者は律法の血の禁令のために訓練を積み、頸動脈、気管、食道を一瞬で切り断つ程の解体技術を持っていた>

しかし、近代になり、メツィツァが感染症の原因と成り兼ねない懸念が生じ、次第にガラス管で吸い取る方法に置き換えられてきた。

それでも、超正統派は依然としてモヘールによる吸い取りを行うことを励行しているとのこと。




施術中、赤子を膝に置く役割は母親であったのが、その後に、不謹慎とされ、父親や別に依頼された成人男子に置き換わった。
その役(サンダク)を任されることはユダヤ人にとって名付け親のように名誉なことになる。
モヘールはベラホート9:3:2:Vを唱え
術後には父親がベラホートの続きWを唱える
最後に参列者(ミンヤンが求められる)が同Xを唱える

31日目(シャバットは避ける)の男子の嬰児にはピディヨン・ハベンという儀式が行なわれ、レヴィ系でない初子につき父親は5シェケルを払った。(現状どうしているか?)ピドヨン・ハペン(長子の贖い)


関連⇒「血の禁令を超える主の晩餐

「モヘール」に対して、資格ある屠殺専門家を「ショヘット」と云い、信心深く教養ある者でなければならない。そのような者が慈悲深く屠殺できると考えるから。屠殺した肉を検査する者はマシュギアと云う。
ユダヤ教徒がブタ肉を避けることにより、旋毛虫の寄生する食物から逃れることができ、貝類を避けることで、容易に腐乱する食物を避けることができてきたと今日のユダヤ教徒は考える。
多くの食物規定には、古代異教との差別化が読める。だが、原理主義者は掟に理由を尋ねる試みを尽く退けて来た。「啓示の事実だけで十分であり、人間の憶測など必要としない」

以下、伝説
安息日の夕べ(開始)に家長がシュナゴーグから戻るときには、二人の天使が付き添う。安息日の間中、敬虔なユダヤ教徒にはもうひとつの魂が加えられる。美しく純粋な花嫁が日没の光と共に降りて来る。







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