Notae ad Quartodecimani

情報や資料のノートの蓄積

ラビ的安息日規定

ラビらがシャバットに39の禁令を課した理由といえば
出埃35:2で、安息日の規定を繰り返した後の4節から、幕屋の造営に関する記述が続いていることに関連付け、幕屋造営に関わった39種類の作業を安息日に禁じられる作業の基本(アヴォート メラホート)「仕事の父」と呼んだ処に拠る。(シャバット7:2)
しかし、これはこじつけである事が、それら造営の作業に関係のない事柄を無理に結びつけたためにラビらの間でも異論があるところに見えるようである。
これらアヴォート メラホートから派生する第二次的な作業の集成は「トーラダト メラホート」と呼ばれた。(トーレドート pl)(バヴァ・カマ:2a)

  • 同じ除草作業でも、撒種のためか、作物の生育を助けるためかで、属する禁令作業の項目が変わる-

生活の様々な場面に安息日の規定を適用させようとすると、無数の規則が発生することになるが、これら膨大な作業にラビらは取り掛かった。
まず、トーラーに記述のない場面に於いて、ラビ的禁令を布告した。
トーラー中の禁を犯した場合には贖罪の捧げ物の「罪科(ハヤヴ)を負う」が、ラビ的禁令については免責(パトゥール)されるという(Mシャバット1:1/7:1)
これらが「トーラーの垣根」(セヤグ ラ トーラー)に相当するらしい(Mアヴォート1:1)
安息に関しては「休止」(シュヴィター)と呼ばれるラビ的禁令の集成があり、その中は2種に分かれる。
1.ムクツェークの規定
2.a禁じられた仕事や活動に類似するもの
b禁じられた仕事に導く恐れのなす仕事や活動
c安息日の聖性を冒涜し兼ねない不必要で過度の仕事や活動
(平日の諸活動は「デ ホル」と呼ばれる)
しかし、以上は不動な規則の集成ではないとされ、生活の実態に沿うよう案出もされたという。


ラビらは、安息日の原因譚に出埃20と申命5を矛盾させることなく並置させ、ミドラシュ的ながら終末論的に考察した。
来るべき世の楽しみ(ベラホート57b)
安息はイスラエルの花嫁に擬され(Genラッパー11:8)
その遵守はメシアの来臨を確実にするための手段(シャバット118b)
安息日を1回あるいは2回正しく遵守するだけでもメシアの来臨は即刻実現すると信じられた。(筆者意味不明)
メシアも安息日の前夜には現れないものとされている(エルヴィーン43b)



第一次範疇の(アヴォート メラホート)は40にひとつ少ない(Mシャバット7:2)
1.播種
2.耕地
3.刈取り
4.取入れ
5.脱穀
6.穀類の煽り分け
7.選別
8.製粉
9.篩い
10.捏ねり
11.パン焼き
12.羊毛の刈取り
13.その漂白
14.その梳取り
15.その染色
16.撚糸
17.経糸の装着
18.二つのヘドル*の装着 *(おそらく錘)<筆者>
19.二本の撚糸の機織り
20.二本の撚糸の取り外し
21.(結び目を)作る事
22.それを解く事
23.2針による縫合 (二つの仕事に相当し罪科を負う)
24.2針の縫合のために切り裂く事
25.鹿を罠に懸ける事
26.その屠殺
27.その皮剥ぎ
28.その塩漬け
29.その皮なめし
30.それを滑らかにする事
31.その切断
32.二文字書く事 (元は幕屋の対になる建材への印付けを言う)
33.二文字書くために二文字消す事
34.建築
35.解体、取壊し
36.消火
37.点火
38.ハンマーで叩く事 (仕事の完成を含意)
39.ある領域から別の領域への運搬


以上がアヴォート メラホートだが
そこから注解が止め処も無く続いてゆく・・<もういい加減にしてほしい!>
それでも十分にラビ的だが
もちろん、まだ本当のラビ的シャバット規定、トーラダト メラホートには至らないがそれがまた膨大で恐れ入る。



メギラット・ターニット
Megillat Taanit
中世期に書かれ35日の祭日と服喪を定めた書
二つの言語と内容を持つ
それぞれの日付にはその日の意味に合わせた言動が求められる



所見;
より詳しくノートしようにも、頭が痛くなる
「四十に一つ少ない鞭打ち」を連想
だが、実質は百叩きか?
あまりに無意味


厳格化されたシャバット

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