Notae ad Quartodecimani

情報や資料のノートの蓄積

ミシュナの構成

ミシュナの構成 

 

六大区分

1.ゼライーム「種」 2.モエッド「祭事」 3.ナシーム「女」 

4.ネズキーン「損害」 5.コダシーム「聖事」 6.トホロート「清め」

 

  出展-Wikipedia-
◆ זרעים (ゼライーム Zeraim) - 11編構成。祈りと祝福・什一税・農業に関する法を扱う。

・ベラホット Berakhot 祈りの言葉の規則について。9章。

・ペアー Pe'ah 貧しき者に土地の一角を与える(レビ記 19:9-10及び23:22、申命記 24:19-22)ためのミツワーに関連した戒律と、貧しき者の権利一般について。8章。

・デマイ Demai 生産から供せられる聖職者への寄付が定かでない様々な場合について。7章。

・キルアイム Kilayim 農業、衣類、飼育において禁じられている混ぜ物(レビ記 19:19、申命記 22:9-11)の規則について。9章。

・シェビイート Shevi'it 安息年(出エジプト記 23:11、レビ記 25:1–8、申命記 15:1–11)に関する農業と会計の規則について。10章。

テルモット Terumot 祭司に与えられる寄付(terumah)の規則(民数記 18:8-20、申命記 18:4)について。11章。

・マアセロット Ma'aserot レビ族に与えられる十分の一税に関する規則 (民数記 18:21–24)について。5章。

・マアセル・シェニー Ma'aser Sheni エルサレムで食べられるための十分の一税に関する規則 (申命記 14:22-26)について。5章。

・ハッラー Hallah パン生地を祭司に与えること(ハッラー)に関する法(民数記 15:18–21)について 。4章。

・オルラー Orlah 植えた植物をすぐに使うことの禁止(レビ記 19:23–25)について。3章。

・ビクリーム Bikkurim 祭司とエルサレム神殿に贈る初物 (出エジプト記 23:19、申命記 26:1)について。


◆ מועד (モエード Moed) - 12編構成。安息日と祭りに関係する。

・シャバット Shabbat 安息日に禁じられている39の労働について。24章。⇒「シャバットの厳格化の経緯」⇒「安息日の運搬規定

・エルビン Eruvin 運搬と旅のために安息日の領域を変える解釈/概要説明、Eruvもしくは安息日に行動できる範囲について。10章。

・ペサヒーム Pesahim ペサハとその生贄に関する規定について。10章。

・シェカリーム Shekalim 2分の1シェケル(ベカ)の寄進とエルサレム神殿の費用と出費について。8章。<シェケル=4ドラクマ=スタテル貨>

・ヨマー Yoma ヨム・キプルの規定、特に大祭司による式典について。8章。

・スカー Sukkah スコットと祭りの際に用いられる仮設の家(仮庵)について。また、スコットで使われる4つの植物(ナツメヤシの枝、シトロン、ギンバイカ、ヤナギ)について。5章。⇒「スカー篇から

・ベイツァー Beitza Yom Tov (祝祭)において順守すべき規則について。5章。

・ロシュ・ハシャナー Rosh Hashanah ユダヤ暦について、ローシュ・ハッシャーナーの祭礼について。4章。

・タアニート Ta'anit 干ばつ、その他予期せぬ良くない出来事が起きた時の、特別な断食について。4章。

・メギラー Megillah プーリームにおいてエステル記を読むこと、またシナゴーグにおいてモーセ五書と預言書(ネビイーム)を読むことに関する規律と規定について。4章。⇒「メギラー篇から

・モエード・カタン Mo'ed Katan ペサハとスコットの中間日ホル・ハ・モエドについて。3章。

・ハギガー Hagigah 三巡礼祭(ペサハ、スコット、シャブオット)とエルサレムへの巡礼に持って行くべき奉納の品について。3章。


◆ נשים (ナシーム Nashim) - 7編構成。結婚と離婚、誓約に対する作法とナジル人の法に関係する。

・イェバモット Yevamot 未亡人に義務付けられた義理の兄弟との婚姻に関連したユダヤの法レビラト婚 (申命記 25:5-10)とその他未成年のなどについて。16章。

・ケトゥボット Ketubot ケトゥバー(ユダヤ教の婚前契約書)と処女、初夜権、夫婦間の義務について。13章。

・ネダリーム Nedarim 様々な種類の誓約(ネダリーム)と法的責任について。11章。

・ナジールNazir ナジル人の誓約とナジル人であること(民数記 6)について。9章。

・ソター Sotah 姦通罪が疑われた女性(民数記 5)に対するソターの儀式、口語の定型句(雌牛の首を折る時、王の年7回行われる国民へのトーラー朗読、ゲリジム山エバル山などの祝福と呪い)に関する儀式について。9章。⇒「ソーター篇から

・ギッティン Gittin 離婚とその他の文書の概念について。9章。
キダシン Kiddushin 結婚の最初の段階(正式な婚約)とユダヤの家系の法について。4章。


◆ נזיקין (ネズィキーン Nezikin) - 10編構成。市民の商売と刑罰、法廷の機能と誓約について。

・ババ・カマ Bava Kamma 主に損害と補償に関する民事問題について。10章。

・ババ・メツィア Bava Metzia 主に不法行為と財産法に関する民事問題について。10章。

・ババ・バトラ Bava Batra 主に土地所有権に関する民事問題について。10章。

・サンヘドリン Sanhedrin サンヘドリンでの裁判の規則、死刑、その他の刑事問題について。11章。

・マコット Makkot Edim Zomemim (証人)、逃れの町、鞭打ち刑について。3章。

・シェブオット Shevu'ot 様々な種類の宣誓とその法的責任について。8章。

エドゥヨット Eduyot ミシュナーの時代の法的な争いの事例と、その他の色々な賢者とハラーハーの原理を説明する証言の紹介。8章。

・アボダー・ザーラー Avodah Zarah ユダヤ教徒と、(ユダヤ教徒から見て)異教徒もしくは偶像崇拝者との交流の法について。5章。

アボット Avot 賢者の道徳的格言集。6章。

・ホラヨット Horayot サンヘドリンによる大きな過ちのために捧げられる、地域社会の意図的でない罪の贖いのための生贄について。3章。


◆ קודשים (コダシーム Kodshim) - 11編構成。生贄の儀式に関する、神殿と食事の法。

・ゼバヒーム Zevahim 動物と鳥を生贄にする手順について。14章。

・メナホット Menahot エルサレム神殿への様々な穀物を元にした供物について。13章。

・フッリーン Hullin 屠殺と肉の消費(神聖な理由ではなく日常使われる動物)の法について。12章。

・ベホロット Bekhorot 動物と人間の長子の神聖化と贖罪について。9章。 

・アラヒン Arakhin 主に財産をエルサレム神殿に奉納した人と農地を奉納することについて。9章。

・テムラー Temurah ある動物が生贄として捧げられた動物の代わりになった場合についての法の概要。7章。

・ケリトット Keritot 破門(karet)が懲罰となる戒律と、(多くの場合意図的でない)破戒に関連する生贄について。6章。

・メイラー Me'ilah  エルサレム神殿の所有物を不正使用した場合の補償について。6章。

・タミード Tamid 日々の生贄(Tamid)の手順の概要。6章。

・ミドット Middot 第二神殿の採寸について。4章。

・キニーム Kinnim 鳥の生贄が混ざった場合に対する複雑な法について。3章。


◆ טהרות (トホロート Tohorot) - 12編構成。祭儀的な潔・不潔等の法に関係する。

・ケイリーム Keilim 様々な器の宗教的な意味での純潔さと不潔さについて。30章(ミシュナーの中で最長)。

・オホロット Oholot 死体の穢れと、同じテント型構造の中の物にその不潔さの影を落とす独特の性質について。18章。

・ネガイーム Nega'im  ハンセン病に関する法について。14章。

パーラー Parah 生贄に用いる赤毛の雌牛に関する法について。12章。

・トホロット Tohorot 様々な純潔さに関する法、特に不潔さがうつる実際の仕組みと、食べ物の不潔さに関する法について。10章。

・ミクヴァオート Mikva'ot  ミクワーに関する法について。10章。

・ニダー Niddah Niddah(月経周期にあるか産後間もない女性)について。10章。

・マフシリン Makhshirin 食べ物が濡れた後に、何か不浄なものに接触して穢れたことを宣言するためのルールについて。6章。

・ザービーム Zavim 射精と淋病について。5章。

・テブール・ヨーム Yom  ミクワーに入ったにもかかわらずその日の残りは清浄でない、特別な種類の穢れについて。4章。

・ヤダイム Yadayim 手の汚れと清め方について。4章。

・ウクツィーン Uktzim 果実と茎の関係。両者が互いに対して穢れをもたらすことについて。3章。

 

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ミシュナーの哲人の時代
第1世代: Rabban Yohanan ben Zakkai's generation (circa 40-80 CE).
第2世代: Rabban Gamliel of Yavneh, Rabbi Eliezer and en: Rabbi Yehoshua's generation, the teachers of Rabbi アキバ・ベン・ヨセフ.
第3世代: The generation of Rabbi アキバ・ベン・ヨセフ and his colleagues.
第4世代: The generation of Rabbi en: Meir, Rabbi en: Yehuda and their colleagues.
第5世代: Rabbi イェフーダー・ハン=ナーシー's generation.
第6世代: The interim generation between the Mishnah and the Talmud: Rabbis Shimon ben Judah HaNasi and Yehoshua ben Levi, etc.

⇒「タナイームとミシュナー」 

 

 所見;以上の区分けで分類されているが、実際に目を通すと、表題に近い別の事柄や、余り関係なさそうに見える部分も散見される。

多くの部分では「ラビ・何某は言った」という列挙が多く、結論を出していないところが多い。タルムードでは更にそれにゲマラが付き、様々な観点が加えられるので、律法の条項ひとつにも各種の検討が加えられ、相当な量になる。

⇒「ユダヤ人にとってのタルムード

従ってラビたちの発言集という体裁であるように見える。そこはミクラーほどの権威を自ら認めなかったからかも知れない。

それから、以上は口頭伝承への付け加えのようで、この何倍もの分量があったものをハナシーが大鉈を振るって短くしたもので、削除された部分を復活させる動きもあり、バライタやトフセタの名目で補完されている。

総じて律法をどう守るかという、ユダヤ教徒の務めによる義のための便法の列挙になっている。中にはあからさまな異邦人蔑視が見られ、これでは聖書のように世界から受け入れられる素地はない。ユダヤ教徒自身も世界に向けて誇るのは憚られるのではないか。

 

⇒「スピノザの立場

⇒ 「ユダヤ教徒の祈りへの認識