Notae ad Quartodecimani

情報や資料のノートの蓄積

回復の預言5


エゼキエルは第一次捕囚の中にあって神の霊を受け、民族の直面する災いの意味を流刑囚に知らせる役割を負った。

糾弾と災いに続く災いを描き出すその預言は全体として重苦しく陰鬱な調子が続くが、苦悩の波頭を越えてゆくと、遂に輝かしい神の崇拝の幻視に至ることになる。

イスラエルに対する糾弾の結果、周辺諸国に対しても次々に処罰が下される。それはイスラエルの没落を喜び、その苦しみを加えたからである。

彼の預言者の務めは民の印となるべく、五百日近く横臥し、糞を焼いて食事をし、家の壁に大穴を空け、妻を亡くすなど、けっして平易なものとはならなかった。

しかし、神の兵車(メルカヴァ)やケルヴィムや神の幻を見るばかりか、存在し得ないエルサレムの神殿の境内を測り、その象徴的影響の及ぶ姿をも知らされている。

幻の神殿はそのものが、「回復」とその先にある「千年期」を指し示しており、そこに至る人と神の争い過程をも描き出すという驚異の書となっている。

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6:8-10 わたしは、あなたがたのある者を生かしておく。あなたがたが、つるぎをのがれて国々の中におり、国々に散らされる時、あなたがたのうちののがれた者は、その捕え移された国々の中でわたしを思い出す。これはわたしが、彼らのわたしを離れた姦淫の心と、偶像を慕って姦淫を行う目をくじくからである。そして彼らはそのもろもろの憎むべきことと、その犯した悪のために、みずからをいとうようになる。
そして彼らはわたしがYHWHであることを知る。この災を彼らに対して下すと、わたしが言ったのは決してむなしい事ではない」。



18:30-32それゆえ、イスラエルの家よ、わたしはあなたがたを、おのおのそのおこないに従ってさばくと、主なるYHWHは言われる。悔い改めて、あなたがたのすべてのとがを離れよ。さもないと悪はあなたがたを滅ぼす。
あなたがたがわたしに対しておこなったすべてのとがを捨て去り、新しい心と、新しい霊とを得よ。イスラエルの家よ、あなたがたはどうして死んでよかろうか。
わたしは何人の死をも喜ばないのであると、主なるYHWHは言われる。それゆえ、あなたがたは翻って生きよ」。



20:40-44 主なるYHWHは言われる、わたしの聖なる山、イスラエルの高い山の上で、イスラエルの全家はその地で、みな喜んでわたしに仕える。そこでわたしは彼らを悦びとし、あなたがたの寄進物と最上の供え物の中から、その聖なる初物を求める。
わたしがあなたがたを諸々の民の中から導き出し、かつてあなたがたを散らした国々から集める時、香ばしい香りとして、あなたがたを喜んで受けいれる。そしてわたしは異邦人の前で、あなたがたの中でわたしの聖なることをあらわす。
こうしてわたしがあなたがたをイスラエルの地、すなわちあなたがたの先祖たちに与えると誓った地に導き上る時、あなたがたはわたしがYHWHであることを知るようになる。
またその所であなたがたは、その身を汚したあなたがたの行いと、すべての業とを思い出し、みずから行ったすべての悪事のために、自分を忌み嫌うようになる。
イスラエルの家よ、わたしがあなたがたの悪しき行いによらず、またその腐れた業によらず、わたしの名のためにあなたがたを扱う時、あなたがたはわたしがYHWHであることを知るのである、と主なるYHWHは言われる」。



34:11-15 主なるYHWHはこう言われる。見よ、わたしは、わたし自ら我が羊を尋ねて、これを捜し出す。
牧者がその羊の散り去った時、その羊の群れを捜し出すように、わたしは我が羊を捜し出し、雲と暗闇の日に散った、すべての所からこれを救う。
わたしは彼らを諸々の民の中から導き出し、諸々の国から集めて、彼らの国に携え入れ、イスラエルの山の上、泉のほとり、また、国のうちで人の住むすべての所でこれを養う。
わたしは良い牧場で彼らを養う。その牧場はイスラエルの高い山にあり、その所で彼らは良い羊の檻に伏し、イスラエルの山々の上で肥えた牧場で草を食う。
わたし自ら我が羊を飼いこれを伏させる、と主なるYHWHは言われる。






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