Notae ad Quartodecimani

情報や資料のノートの蓄積

ネヴィイーム一覧

預 言 書 【 נביאים 】 NEVI’IM

- TANAKH 【תנייך】記載順 -

 

ヨシュア 

【יהושע】JOSHUA

 

士師記 

【שופטם】JUDGES

 

サムエル記1 

【שמואל א 】SAMUEL

前1050頃のカナン中央のシロに在った会見の天幕を中心とするイスラエルの同盟を率いる大祭司エリを引き継ぎ指導者となった預言者サムエルによる第一の記録。最初のイスラエル王シャウル(位1020-1004)までを描く。

 

サムエル記2 

【שמואל ב】SAMUEL

前1000頃のダヴィドの活動から記載。その苦労絶えない生涯について記される。

 

列王記1 

【מלבים א】 KINGS 1

ダヴィド王の死とソロモンの即位(967)。神殿の建立とイスラエルの栄華。

ソロモン後の王国の分裂から、南北の王朝の歴代の王の活動を北イスラエルのオムリ王朝のアハブの死(852)まで記す。後半にバアル崇拝を譴責する預言者エリヤの活動を含む。

 

列王記2 

【מלבים ב】KINGS 2

預言者エリヤの後継者エリシャの活動から、イスラエルのエフー王、シリアのハザエル王らによるオムリ王朝の終りとイゼベル、ユダに嫁いだアタリヤらの悪影響が除かれる過程、アッシリアの強大化とイスラエル占領と流刑(721)、バビロニアの強勢とエルサレムの滅び(586)と捕囚までを記す。


イザヤ
【ישעיה】 ISAIAH
前8世紀頃ユダヤのウジヤ王からヒゼキヤ王の時代にユダと イスラエルの契約違反を指摘、生涯の間にイスラエル王国の滅亡とセナケリブによるユダ侵攻の顛末を預言。その後のユダとエルサレムの荒廃を警告。第40章以降では捕囚からの回復「ナハムーの預言」を語りつつ、バビロンの衰亡やキリストの姿、世の体制の終末から千年期までをも預言。ミカとホセアが同時期

 

エレミヤ
【ירמיה】 JEREMIAH

ヨシヤ王の第13年から
ベニヤミンのアナトテの祭司。青年期から活動を始め、前7~6世紀にユダでバビロンに服すべきと預言をするが強い反対を受けつつ40年以上預言を語る。国民の反抗の報いとしてのユダとエルサレムの滅びを目撃する。新しい契約を予告。書記バルクが伴い大半を記録・再現、そのためか記載順不同。バビロニア総督暗殺事件後は不本意にエジプトに寄留。エルサレム陥落後に「哀歌」を残す。バビロニア帝国の終りと荒廃をも予告し終末を黙示

回復の預言 ⇒ 七十年  ⇒ ユダ荒廃の意味  

 

エゼキエル
【יחזקאל】 EZEKIEL
エレミヤと同時代で同じく祭司家系、前597年から初期バビロン捕囚民の中でユダとイスラエルの罪を宣告、神の霊感により外地からエルサレムを糾弾し、その音信を捕囚民の中で語る。ユダとイスラエルの滅亡と回復への黙示的将来像をも含む。26年間の預言期間中でエルサレムと神殿の滅びを迎え、その後は骨の谷やゴグの滅びなど終末預言に移行している。前571年に神殿の幻の啓示を最後に受ける。

構造 ⇒ 37章以降 ⇒ 40章以降 ⇒ 異様な文言   

 

 

ホセア
【הושע】 HOSEA
ベエリの子ホセアを介した預言、前8世紀頃、ウジヤからヒゼキヤのユダ、またヤロベアムⅡ世繁栄期、北王国のサマリアで十部族の律法違反を不実な妻の姿を通して糾弾。北王国の滅びと両王国の回復と一致する将来を予告

 

ヨエル
【יואל】 JOEL
不明な人物ペトエルの子、エホファシャト王(848)の後で、一部を引用されたアモス書よりは前の年代、「YHWHの大いなる日」と蝗害、神の霊の降下と人々が預言することを予告。『YHWHの名を唱える者は・・』の句は他書でも繰り返される

この預言書に特徴的な蝗害については使徒言行録に一度成就し、さらに黙示録が暗示している

 

アモス
【עמוס】 AMOS
ヤロベアム二世期に季節労働者に過ぎない身分で北王国の罪を指弾。ベテルのアピス崇拝の祭司と論争して神の宣告を語る。背教の責によるイスラエル王国の終りを警告。

memo

 

オバディヤ
【עבדיה】 OBADEAH
ユダの滅びを喜び、避難民をバビロンに渡したイドマヤへの裁きの宣告

短編ながらエサウに始まるエドム人の事跡を通して終末の脱落聖徒を断罪

この主題は詩篇、イザヤなども数度言及がある

 

ヨナ 【יונה】 JONAH
ゼブルンに属するナザレに近いガト・ヘフェル出身でアミタイの子であるとの情報を列王記が伝える。但し、その預言は現聖書中に採録がない。本書ではヤラベアム二世期(782)以前に、強盛国家となる以前のアッシリアを譴責。全編を通じ預言者自身の在り方について述べる異例な預言書

 

ミカ 【מיכה】 MICAH  ミカヤの短形
シェフェラのモシェレト出身でイザヤやホセアと同時期、南王国を糾弾し「終わりの日」にも言及。イザヤ書との共通項あり、特にシオンの峰に諸国民が向かう描写は一字一句変わらない。またメシアの出身地を暗示し、シオンの娘の豹変とその支配権を預言。出身地モレシェトはシェフェラにある村 (Jer26:18)

 

ナホム 【 נחום 】 NAHUM
暴虐と殺戮の覇権国家となったアッシリアと帝都ニネヴェの滅び(612)を預言。エジプトまで支配し強勢を誇った大国は攻囲され、洪水が城壁を崩すと予告。終末の覇権国家への警告を暗示。

 

ハバックーク
【 חבקוק 】 HABAKKUK
エレミヤに近い世代、おそらくはレヴィ族以上の祭司の権限(コハト?)があるらしくバビロンによるユダの滅びと終末を詩文でも語り、神殿破壊の予感あり。描かれる様子にはエホヤキム在位下に蓋然性あり。預言的に聖徒の立場を代弁した詠唱を含む

 

ゼパニヤ
【 צפניה 】 ZEPHANIAH
ヨシヤ王の時代、エルサレムの滅びと「YHWHの怒りの日」を宣告。

 

ハガイ
【 חגי 】 HAGGAI
前520年、ダレイオスの第二年の第六の月と第七の月に預言。(共に21日~)

諸国民の反対行動に遭い、諦めの境地にあった捕囚からの帰還民に、神殿の再建を促す。終末の神殿を暗示し、シナイ山の故事を含んで世界を揺るがす神YHWHの意志を語る。

 

ゼカリヤ
【 זכריה 】 ZECHARIAH
ダレイオスの第二年、ハガイに二か月遅れて預言を語り始め、YHWH の崇拝の復興を説き勧め始め、ハガイより若くその後も預言を続けて、第二神殿後の事象を通し終末について黙示的に触 れる。

 

マラキ
【 מלאכי 】 MALACHI
前五世紀、総督ネヘミヤに近い時代に神殿祭司を糾弾、「使者」と「契約の使者」に言及。最後のナーヴィーとして『先駆者エリヤ』と『メシア』の到来がユダヤ体制に裁きの試練となり、大きく揺るがすことを警告。以後ユダヤ人からは「ネヴィイームは眠りに就いてしまった」と言い習わされ、旧約の最後を閉じる。

 


ダニエル書 【 דניאל 】 DANIEL をユダヤ人は諸書に分類している。

 前半を中心に多くの部分がアラム語で記される。ヤムニヤ以降で原語写本の発見が遅れたとも。エホヤキン王と同時期にバビロンに到着し、夢解きですぐに頭角を表し、ネブカドネッツァルから宗務長官を拝命し高名を得る。YHWHカルデア諸神への優越性が示される。以後、大王死後ナボニドス以前に立場を失い忘れられるも、メディア・ペルシアによるバビロン占領当夜に謎解きにより敗北を通知して注目され、その後はメディア側でもマゴイ族を退け重用され、七十年のエレミヤの預言の成就を願うも、更なる七十週の啓示を受ける。前535年に最後の啓示を受け、後のヘレニズム期への予告と終末の黙示を受ける。全般的に預言よりは幻視と夢が大半を占め、本人以外への啓示をも解いている。内容では世界覇権の辿る趨勢への啓示と、終末の聖徒の苦難を例示を含み、ヨハネ黙示録との共通性が顕著

構成 ⇒ 70週 ⇒ 11章フランシスコ会 ⇒ 11章ハンメル ⇒ 11章歴史照合 

マカベアとの関連 ⇒ 天軍   

 

その他

ミクラーのネヴィイームには含まれないながら、同時期に独自文書を残さなかった預言者が聖書中に散見される。それらにはローエーだけではなくナーヴィーとされる者も居る

 

 

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◆預言書の歴史順

ヨナ書

   アッシリアに遣わされる預言者の姿を描いており預言者への教えと言える

   アッシリアは既に残虐な軍隊として知られているので、征服王以降では

 

ヨエル書

   不明要素が多いが、以前に著しい蝗害があったかも知れない

   「エホシャファトの谷」の言及あり、その事跡以降でヒゼキヤ以前

 

-----------以下四書は密集------------

アモス書 ウジヤの時の『地震の二年前』に言及

ホセア書 イザヤに同じ時期

イザヤ書

  ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの治世中で預言したと最初に述べる

  ヒゼキヤの15年の延命まで記されている

  長寿であったが伝承では鋸引きで処刑されたとも

 ミカ書 before BC722 イザヤにやや遅れた時期

  ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの治世

  有名なシオンの描写ではイザヤと一字一句変わらない

  イザヤ書のシオンの娘について補完的預言に特徴がある

    『イザヤの頃にモレシェトのミカもまた預言した』とあり現地はリブナの東

 

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ナホム書

   アッシリアとニネべについての糾弾と滅びの預言 

 

ゼパニヤ書

   著者は祭司のひとりでヨシヤの時と自称 ニネヴェの滅びを予告

 

ハバクク書 before BC598

   近い将来にバビロン軍の攻撃があることを示唆するのでこの時期 

   おそらくエホヤキム治世下で、ゼデキヤ治世下は考え難い

 

エレミヤ書

   ヨシヤ王の13年から霊感が臨むが記載順不同(エホヤキムの焼き捨てのため?)

   以後の滅びゆくユダ王朝の中にあって迫害を受けつつ預言

   『ゼデキヤの第11年の終りまで』とあるが、その後の記述あり「哀歌」も続く

   

 

ダニエル書 after BC607-535

   頭書に「エホヤキムの第三年」にバビロン捕囚の始まりの記述あり

   最終預言は「キュロスの第三年」と記述

 

エゼキエル書 BC593-571

   頭書に「エホヤキン王の流刑の五年目」とあるのでダニエルよりは遅く流刑地に到着、書中にダニエルの栄達を示す語句あり 以後26年間に13もしくは14回啓示を受ける⇒「エゼキエル書の構造」

 

オバディヤ書

   ユダの滅びに乗じて利益を貪ったエドムを糾弾

   従って捕囚期以降でバビロニア帝国倒壊以前のどこか

 

----------以下二書は二か月差------------

ハッガイ書  BC521・6の月-

   頭書に「ダレイオスの第二年第六の月」に啓示開始の記述あり 

   帰還民団の目的意識の喪失を糾弾

   完成前の第二神殿を通した対型的神殿の栄光を描写 

ゼカリヤ書  BC521・8の月-

    頭書に「ダレイオスの第二年第八の月」に啓示開始の記述あり

   第二神殿を建立するゼルバベルの 対型と終末を黙示的に預言

   ウジヤの地震について復唱し終末を黙示

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マラキ書 前5世紀に入るらしい

    メシアの到来が裁きとなることへの警告

   既に、祭司職が汚されているのでエズラ、ネヘミヤからも離れている

 

 

 

 

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レヴィ族の都市

アロンへ:

コハトへ:ユダ、シメオン、ベニヤミンから13都市

ゲルションへ:イッサカル、アシェル、ナフタリ、バシャン・マナセから13都市

メラリへ:ルベン、ガド、ゼブルンから12都市

 

 

 

 

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