Notae ad Quartodecimani

情報や資料のノートの蓄積

2019-01-01から1年間の記事一覧

終末に現れる者らの表象と角色

・反キリスト [ 'αντίχριστος ] 出;ヨハネ第一×4、『イエスと父を否むもの』『来るであろうとあなたがたが聞いていた』『今でも多くの反キリストがいる』 ヨハネ第二×1『キリストが肉体で来たことを告白しないもの』⇒仮現説のグノーシス派 Mt24:11「偽キリ…

テモテへの書簡へのメモ

・1Tim1:20ヒュメナイオスとアレクサンドロスをパウロは『サタンに渡した』の『渡した』[παρέδωκα]には「送り出す」「諦める」の意があり、積極的な除名を行ったというには根拠は薄い。また同5:15には『現に一部(の寡婦ら)はサタンの後を追って逸れた(εκτρέ…

ダニエル書第11章 フランシスコ会の解釈

ダニエル書第11章を中心に探る 天使の現れはキュロスの第三年(前535)で最後の啓示 (祭祀復興まで20年) この天使はメディア王ダレイオスの第一年から、その王権の護持者となっていた。『なお三人の王がペルシアの為に立つ』というのは、第四の王がギリシアを…

エフェソス3:15 名を受けるとは

天上にあり地上にあって「父」と呼ばれているあらゆるものの源なる父に祈る。【口語】 御父から、天と地にあるすべての家族がその名を与えられています。【新共同】 天上と地上で家族と呼ばれるすべてのものの名の元である父の前に祈ります。【新改訳3】 -こ…

使徒言行録に関するメモ 19.5

パウロの回心後について、ルカは『基礎が固まり』[οικοδομου μενη]と描写したが、直訳すれば「築き上げられた」 となると これは妨げられることのない成長期に入ったというべきでは <しかし、これを以って教理でのキリスト教の確立とは言えない、ただパウロ…

GG

前記事⇒「エゼキエル37以降」 ◆神はその顎に鉤をかけ、そのすべての軍勢を引き出す 38:4 ⇒『わたし(YHWH)は必ずあなた(アッシリア)の鼻に鉤を、あなたの唇の間にくつわを付け、あなたが来たその道を通って,確かにあなたを連れ戻す』2K19:28/Isa37:29 ⇒『第六…

ディアドコイ戦役への情勢

ディアドコイ戦役への情勢 前編⇒「マケドニア履歴」⇒ 「アケメネス朝期のユダ帰還」 前323のマケドニア暦でダイシオスの月の28日に大王が崩御した。ユリウス暦では6月10日、場所はバビロンのネブカドネッツァルの王宮であった。 死の十日前から発熱があり、…

エゼキエル第37章以降

前記事⇒ エゼキエル書の構造 37章1節にはそれより前の部分との終末啓示の下賜された期間とに違いがある可能性を含んでいる。それ以前は『第12年10月5日』即ち、前586年であることが記されているが、37章から一続きの内容として39章末尾まで続き、次いで40章…

メモの集積

-逆方向へ- ・滅ぼされたのはソドムとゴモラだけでないJr50:40 ・「あなたの知恵と知識があなた(バビロン)を誘いだした」Isa47:10 ・例年ペサハを行っているところにキリストが『主の晩餐』を始め、贖いと解放を示した。キリストの実体の前表であった晩餐その…

クリスチャンと称する人々の信仰

-LF- 概して「クリスチャン」と称する人々の信仰の特徴 ・「信仰」を持てば「赦された罪人」である キリストが癒しに際し『あなたの罪は許された [αφιενται]直現受3複 』Mt9:2 ・「信仰」持つのは神の奇跡でその人はこの世の前から選ばれていた エデンの『女…

エホバの証人の排他性の由来

エホバの証人の排他性は、その「生き残り」願望を煽る教理に由来する。 本来の所属動機は自己義認を得た少数者となっての「永遠の命」の獲得にある 彼らの聖書理解の優越性は、常にキリスト諸教会の中世的な解釈に比較する場合に限られており、聖書との整合…

新世界訳日本語版に見られる原文からの乖離

マタイとマルコに於ける日本語重訳の際の付け加えと省略(おそらく新版でも) 念のため (概して新世界訳聖書は大方のキリスト教会が主張するほどの問題ある翻訳とは言えず、自分の見るところ、全般的には日本語の主要な翻訳に比べて原語への忠実性では読者…

エゼキエル書の構造

エゼキエルに通告された預言の時期 ・エホヤキムの第4年はネブカドネッツアルの第1年・エホヤキンの捕囚BC597から37年間・一人称と三人称で書かれた部分が交錯する ・エゼキエル個人BC593-571まで活動していた父はブジであり、エレミヤのようにザドク祭司の…

人と宗教

人の周囲は善意ばかりで構成されている環境ではない。 むしろその人が生きることにさえ抵抗があり、競ったり、争ったり、あからさまな敵意さえ受けるのが、『この世』という、現在まで人々が逃れられなかった敵性環境である。 そこには人間相互の素っ気なさ…

マケドニア履歴

マケドニアは元はバルカンの西半分を占めるピンドス山地から東の低地平野に進出してきた移動遊牧民族で、ギリシア化はアルケラオス王によって進められた。彼はペッラにゼウクシスという高名な画家を招いて王宮を飾らせ、エウリピデスも呼ばれ、この劇作家は…

「忠実で思慮深い奴隷」の背景

『忠実にして聡き奴隷』についての記述は、マタイ24:45-とルカ12:41-の二か所に有る。 Mt24:47 [amhn legw umin oti epi pasin toiV uparcousin autou katasthsei auton] Lk12:42 [καὶ εἶπεν ὁ κύριος τίς ἄρα ἐστὶν ὁ πιστὸς οἰκονόμος ὁ φρόνιμος, ὃν κα…

教会のキリスト教についての雑録

教会のキリスト教についての雑録 ・目的は何か 信者が神に近付き、是認や親密さを得て、信者については地獄行きを免れ、天国行きを確定させることにある。 <早速、この段階で指摘するべき誤謬が幾つも見えているが> つまるところ、信者個人の益のための宗…

キリスト教宣教に盛られた毒

特にキリスト教の場合信者になれば、救われる、天国行き、成功できる、楽園に行ける、イエス様が自分の中に住んでくれるなどを吹聴されるとすれば、それは本来のキリスト教とは言えない。また、神の全能性も認めてもいない。 なぜなら、神が全能であるなら、…

「この世」という人間の生まれ出る苦悩の世界への対処として

序説試 人は誰も自分から意図して生まれ出るわけではない。 しかも、生まれ出た「この世」という環境は降りかかる諸苦の苦悩と寿命の制約に縛られた場であり、古今東西の人々に空しさを嘆かせてきた。 人生を満足の内に閉じることのできた人は僅かであろうし…

ユーフラテスの水が涸れる

黙示16:12-16 / 黙示9:13-(蛙はゾロアスターでは邪神;Lohmeyer) (Moffat;16:15⇒3:3a-b or before3:18) (15[βλεπωσιν]不定の人々<受動態を好まないアラム語の影響か>) Jer51:11・13 矢を研ぎ澄まし、盾を用意せよ。主はメディアの王たちの霊を奮い起こさ…

太陽・天の光

[天の光] ≒ [太陽] 黙示8:12 黙示16:8[天の光]Isa59:9 それゆえ、公平は遠くわれわれを離れ、正義はわれわれに追いつかない。われわれは光を望んでも、暗きを見、輝きを望んでも、やみを行く。(ユダの歩みについて) Jer4:27-28 それは主がこう言われたから…

川と水源

黙示8:10 黙示16:4 Isa48:18 わたしの戒めに耳を傾けるなら/あなたの平和は大河のように/恵みは海の波のようになる。 Isa58:11 主は常にあなたを導き/焼けつく地であなたの渇きをいやし/骨に力を与えてくださる。あなたは潤された園、水の涸れない#泉…

アウグスティヌスの神の国(支配)

■神の国への見方 現実のキリスト教会とローマ帝国の二つの社会の中に『神の国』は現れて始めている。(天国は思想に無い) 例え国家というものが正義を欠いたものであってさえ、神の摂理によって社会の平和と秩序の維持が託されている。 教会も毒麦の混じっ…

アウグスティヌスの自由意志と原罪の把握

「自由意志」Ⅲで論じられたが 罪悪は「自由な意志決定によって犯した原罪から生じている」 アダムからの遺伝が強調されるのは「自然と恩恵」の中であり、ローマ5:12が根拠とされた。 「神の国」では、「神は人間を従順の義務を完全に果たすならば、死は介入…

アウグスティヌスの倫理観

人物 354.11/13-430.8/23 ヒッポ・タガステ生 ヒッポで没 回心と息子と共の受洗は387年、その前年「とって読め」の童謡からRm13:13-14を読む 父は371年の死の直前に受洗 同年ベルベル人の母モニカがオスティアで逝去したのを機会にアフリカに移動しつつ修道…